Dall·e 2023 01 30 13.15.53 Future Atlassian 1

2023年初めの記事はAtlassian関連のアナウンスです。

ちょうどコロナ騒動が始まる前あたりだったと思いますが、既に2020年には大々的にアナウンスされていました「アトラシアンのサーバー製品のサポート終了」がついに1年後(2024年2月)に迫りました。

時間が立つのも早いなぁと思うのは私だけではないでしょう。

アトラシアンのサーバー製品のサポート終了

https://www.atlassian.com/ja/migration/assess/journey-to-cloud

詳しくは上記のページをご覧いただくと分かりやすく記載されておりますが、実質的にこれまでのライセンス体系でのサーバー製品の提供が終了します。

メーカーとしては、これまでのJira/Confluenceを含むサーバー製品はクラウド版(もしくはData Center版)へ移行するように勧めています。

では、サーバー製品は完全になくなってしまうのでしょうか?

実際のところ、サーバー製品としての提供は廃止されますが実態が無くなるわけではなく、Data Center版としてライセンスを移行することで使い続けることは可能になっています。

ただし、この Data Center版は、名前からしてもお察しいただけるように大規模運用が行われることが前提の製品となっているため、 500ユーザーからのライセンス購入が必要となります。

サーバー版=Data Center版を使い続けられる利用者は絞られてくることでしょう。

10、50、100、ユーザー数の範囲で利用していた利用者からすると目が飛び出るほどの価格になってしまいます。

サポート終了により影響を受ける利用者が多く出てくるでしょう。

私個人として長らく関わりが深かったサーバー版の製品ですが、私なりの視点で見解を示したいと思います。


クラウド版への移行は適切なのか?

既にAtlassian製品を使っている利用者へ周知アナウンスが有るはずですが、一聴するとあまりにも酷な製品展開だというのは思わざるを得ません。

これに嫌気が差してしまい、まったく別の製品を選択し切り替える利用者もいらっしゃるかと想像します。

Data Center版を使うことを前提とする場合に具体的に起こり得る事としては、ユーザーライセンス費用が莫大となるため、500ユーザーが必要ではない利用者はクラウド版へ移行する道を歩む事になりそうです。

ここで問題になるのが、サーバー版をどの深度まで独自にカスタマイズしていたか、にかなりの依存度が有ることです。

サーバー版 ↔ クラウド版 は互換性がほぼ無いと言っても過言ではなく、「公式の移行プログラム」が提供されてはいるもののその範疇は、Atlassian社が提供していた機能の範囲でのデータ移行を前提としたものであり、独自カスタマイズしていた部分に関しては当然ながらクラウド版への移行は単純では有りません。

もし独自カスタマイズをした部分が数多くある場合、クラウド版への移行が出来ないと言ってもよく残念ながら設計的にも互換性のない部分が存在しています。

要するに、現時点では独自カスタマイズをされた機能の移行は完全には出来ないということです。

主には、JiraであればJsIncluderを利用した独自カスタム、Confluenceであればユーザーマクロを組み込んだ独自カスタム、その他マーケットプレイスから入手したありとあらゆるアプリに関連するもの。

サーバー版では提供があったアプリも、クラウド版(またはData Center版)では提供がないものもいくつも存在しています。

アプリを提供しているメーカーでさえもクラウド版の提供が出来ていない状況を見てもこれらがいかに大変な事態で有るかをお分かり頂けるかと思います。

また、独自カスタムをしたものはクラウド版への焼き直しが必要であり、ほぼ現実的ではない場合が殆どでしょう。

もしかしたら将来的に見直しが図られ、改善されることもあるかもしれませんがこの移行期間内での改善は希望が薄いということも現実です。

よって、独自カスタマイズされた部分の移行を諦めてクラウド版へ移行するか、はたまた500ユーザー以上という莫大なライセンス費用を受け入れて Data Center版へ移行するか、のいずれかが歩むべき道になるかと思います。

各プロダクトにおけるクラウド版とData Center版の違いは下記で確認が出来ます。

https://www.atlassian.com/ja/migration/assess/compare-cloud-data-center#pricing-and-billing

一部だけ切り取ると、最小ユーザーとしては下記のようになっています。

サーバー版を使い続ける?

取るべき道では有りませんが、現在提供されている サーバー版をそのまま利用し続けるというのも究極の選択肢としては有ります。

ただしこれはサポート終了の意味するところ、バグ改修やセキュリティ的な観点からのアップデートが一切されなくなるため、時限利用を決め込んで、不具合に遭遇したら諦める、といった覚悟で利用を続けることも機能的には可能ということになります。

オープンソースのようコミュニティが有り有志のエンジニアから提供されている製品とは異なるため、やはりサーバー版の利用を継続するのは危険な道になります。

データ保護等の観点からもサーバー版の利用を続けることはお勧めしません。


クラウド版への移行完了

当社から直接お客様に提供してきたサーバー版は、比較的小規模な運用であったため既にクラウド版への移行を昨年完了しています。

この対応の中では、U/I的な違いの部分のレクチャ、また一部のアプリ(プラグイン)の利用を諦めて貰い他のアプリへ移行する等の対応を進めてきました。

為せば成る、とも言えます。

移行後のクラウド版のU/Iをユーザーに慣れ親しんでいただくことが重要でしょう。

言うなれば、骨格の異なる器へデータを移行して取り回すことになるため、外殻は似ていても異なる製品で有ることは間違い有りません。

当社で案件として請けているプロジェクトの中にはこの判断が確定していないものもあり、かつ独自カスタマイズがそれなりに深いものがあるため、今後の行く末がとても気になっています。


立ち戻って考えたい内容

度々値上げをしているAtlassian製品ですが、そもそも、このとても高機能な製品に対する対価をどのように考えていたか?ということろが重要な視点でもあると私は思います。

私の視点からすると、これだけ便利で高機能化している製品は、おそらく他に存在していないか優るものが無いか、それを見つけることが出来ていないのが現実かと思います。

元々が安すぎた、とも言えます。

価値の基準がサブスクリプションのライセンス体系によっているため、当初からパッケージ版製品ではないモノへの見方が偏っていたのかもしれません。

小規模ユーザーでサーバー版の運用が出来なくなってしまう、というのはエンジニア視点でも残念ではありますが、仕方有りません。

クラウド版はいわゆる共有インスタンス、中央集権的な運用になっているので、何かの要因で引きずられると運用に支障が出てきますが、仕方有りません。

Atlassian製品は業務運用ツールの枠組みになるかと私個人的には思っていますが、クラウド版を利用してホームページ公開をする等、WordPress祭りの時代ではあるものの、Confluenceを用いてホームページを作成するなど便利な使い方が出来ることもまた事実です。

丁度よい機会なので、クラウド版Confluenceの公開スペースについて、改めて模索してみようかなと思いました。

以上、関係者を含めましてご参考になれば幸いです。


目まぐるしく変貌していくIT業界ですが、最近流行りのOpenAI に「未来のAtlassian」について尋ねてみました。

以下は本編記事とはほぼ無縁であること、パロディ的な内容である事をご了承ください。

アイキャッチ画像に設定した画像は、DALL·Eが描いた「Future Atlassian」です。

活字ロゴはそれっぽく版権に抵触しない程度に別物になっていますが、カッコ良い坊やが出現。

OpenAI DALL·E
OpenAI DALL·E

何故かTシャツにASIAと。

ChatGPTにも、ひとつ詩を聞いてみました。

>変貌が激しいIT業界を表す詩をお願いします

即答で下記の詩をご提供いただきました

「デジタルの世界」

ビットとバイトが駆け抜ける
新しい時代の道を歩く
光と影が交錯する中で
変革をもたらす者たち
頼りない昨日と
未来への扉が開く

AIロボットに仕事を奪われる日もそう遠くはなさそうな気がしてきます。

もしかしたら既にAIを凌駕することは出来ないのかもしれませんが、潰されないように人間らしく生きていきたいと思います。

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