伊勢山皇大神宮2024年3月

経過してしまうと毎年のように「あ、今年ももうあと数日か」と感じ、それは年々スピードを上げてやってくるイベントになっています。

お陰様で、激忙ともいえる本年でしたが、SIerの立ち位置では常に新しい発見が伴い、そしてそれらを学習するといったことの大切さを感じます。

なかなかうまい言い回しが出来ませんが、その渦中に身を置いている大変さ、そして楽しさとが混在しています。目指すのはこの楽しさの感じ方を好転的に捉えていくことです。

どうしようもない負のスパイラルに入らないように気をつけるべき点は多くありますが、IT関連事業の面白いところはその様な変化の大きい市場だからこそやり甲斐のある仕事である、というところでしょうか。


餅は餅屋で

直近の話題として、パートナーに起きた一つの冗談のような本当の話、として綴ります。

パートナーのとあるクライアントXは数年間に渡り迷惑メールに悩まされていた、という事実があったようです。

この迷惑メールはなんとかならないか、その様な事を発端に、根掘り葉掘りしてしまった、という話題です。

結論から先に述べますと、いわゆる「格安メールサーバー」を使っていたところに起きていた事象のようですが、これを「Google Workspace」へ運用変更を提案したところに、事件は起きたようです。

アカウント数は約20程度。要するにこれだけのユーザー規模の状態では、根本から考え直した方が得策だというのが、私達を含めSIerとしての立ち位置なのはお分かりいだだけるかと思います。

一般的な認識では「メールが送受信できればそれで良い」。というのはご尤もで、それ以上でもそれ以下でも無いでしょう。

しかし、機転が利く人であれば、迷惑メールが大量に来るということは、何処からかのターゲットになっているのではないか、と、ちょっと思考を発展させれば気が付くはずです。
要するに狙いを定められて攻撃されているということに他なりません。

そこで、費用が数倍にもなる「Google Workspace」に価値を見出すか、単に価格が上がるだけと捉えるか、これはその方の知見によって、未来が決まるとも言えます。

時代は常に発展しており SPF / DKIM / DMARC、など一般的には全く理解不能であると思われるメール運用にまつわる用語があり本筋から離れるため詳細は割愛しますが、これらドメイン認証のお話しなどが関わってきます。

外部からの攻撃に限らず、悪戯を企んでいる第三者がターゲットとなるこのドメインを用いて、既になりすましメールの送信を行なっている可能性すら有るわけです。
迷惑メール受信だけを排除すれば良いという時代では無くなってきているとも言えますね。

ウェブサイトも然りですが、インターネットにさらされている”入口”は常に攻撃を受けています。これは当サイトも例外では有りません。

「格安メールサーバー」と「Google Workspace」の違いは比べるまでもなく、これらの”入口”である扉が、例えると「紙」なのか「木」なのか「鉄」なのか、くらい違いが有るということです。

また、扉の材質だけではなく、扉のその向こうに管理人が駐在しているか、誰も居ないのか、といった大きな違いが有るわけです。

私は、よくこれらにまつわる話題を「不動産物件」などに置き換えて話しをすることが多いのですが、意外と理解をしてもらいやすいのではないかと思っています。

この事を依頼、相談された矢先に「冗談のような本当の話」は起きました。

このクライアントXは、こともあろうに他の人(明らかにSIerとは無縁のYoutuber?)へも相談したらしいのです。パートナーとは業務委託契約をして本件を依頼をしておきながらのようなので、シッチャカメッチャカですね。

Youtuber:「無料Gmailアカウント」にメール転送すれば解決できますよ。これこれこの点順で。

私はそのことを又聞きしたときに、直ぐに言葉が出なかったのと、堂々巡りだなという感触しか受けませんでした。

パートナーももちろん周知のことであり、「目先の対応をするだけでしょう」という一点の感想と、業務知識の浅い他人からの入れ知恵に困惑していました。

一見するとこれらの解決方法は、1ユーザーのみで使う限りは良さそうにも見えますが、明らかに「場当たり的」であり、ましてや複数アカウントを企業ドメインとして運用している組織で施す対応ではありません。近い将来に破綻をするでしょう、というのがSIerの立場からはお伝えしたいことです。

このあと起きるであろう予測は「格安メールサーバー」は放置され、気がついた頃にはパンクしてしまい、メール受信が行えていないことに数日気が付かないか、気がついた頃には慌てふためいて、掛け合ったSIerに高額な工賃を支払う、と言ったことになりそうです。

予測は難しいですが、少なからず損害を被る事になるでしょう。

この様に「嘘のような本当の話」が展開されてしまうのですが、これは我々SIerから見たら、というお話しでも有るわけでして、何を以て正解とするかは答えの出ない問題のようなものでしょうか。

折角の好転のチャンスを得た、とあるクライアントXにも「お気の毒に」と思うしかほかありません。

「餅は餅屋」ということわざが有る通り、餅をYoutuberから買ってはいけない、といったところでしょうか。

よかれと思って積極的に対応したパートナーは、この事に非常に気分を害してしまい、さようならを告げたそうです。


このように、冗談のような本当の話は、常にあるわけですが、双方の認識を埋める大変さが、SIerには有ります。

2024年 餅は餅屋で

これを本年の「考えさせられる話」トップ・オブ・ザ・イヤーとしたいと思います。

年末にこの様な記事を投稿することが恒例とならないことを願い、本年を〆たいと思います。

皆様良いお年をお迎えください。

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