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Blackmagic Video Assist 7” 12G HDR を用いると、Blackmagic RAW データとしての記録が行なえ、かつ DaVinci Resolve 17 によるとても強力な動画編集が行なえます。

これまで動画撮影に関してはほぼ興味の範疇外だった私ですが、Blackmagic RAWの発表によってデータ取り回しは CinemaDNG よりもしやすいという評判などから、踏み込むことにいたしました。

次世代のコーディックという触れ込みですが、コーディックは時代とともに進化し続けるというのが他のコーディック(mp3等)の歴史的な流れから大凡は分かるものの、実際のところ BRAWはどういった感じであるのかは体感してみないと意見も述べられないと思い、検証映像を制作してみました。

Blackmagic RAWデータを用いたカラーグレーディングの検証用映像(Full HD)
Blackmagic RAWデータを用いたカラーグレーディングの検証用映像(Ultra HD)
※ 実際の4K映像は SIGMA fp L の映像のみです

諸々の条件が整い、気が向いたため、みなとみらいの港湾地区に機材を抱え込んで向かいました。

目的は、定点撮影でBRAWを収録し、カラーグレーディングをすることです。

この日は昼間の撮影の流れでカメラを2種類抱え込んでいたため、この2台で撮影を試みることにいたしました。

  • SIGMA fp L
  • Nikon Z 7II

晴天で風も殆どなく、快適な夜でしたが11月も下旬となるとやはり寒いですね。
夏場とは異なり、ヒト数もまばらでした。人混みの苦手な私にはなかなか具合の良い感じでした。

SIGMA fp L は単体で、CinemaDNGでの記録が出来るため、Blackmagic RAW(実質的には圧縮RAW)による記録は画質的には落ちるのではないかという懸念は有りますが、その辺りを比較することは現時点ではあまり意味を見いだせないため、両者一長一短あるというくらいの認識で居たいと思います。

ちなみに、Nikon Z 7II はつい先日、RAW動画出力機能の設定を行ったばかりです。こちらは有償ではあるもののやはりその価値は十分にあると考えました。

Z 7Ⅱの標準仕様では、MOV、MP4でしか記録できません。これにRAW出力機能をプラスオン出来るわけです。

カメラ単体で写真撮影を行うより、セッティングに手間がかかるのと、周りから見ても単純な撮影ではない感じに見られてしまうので、フィルムコミッションを気にされる方は要注意でしょうか。

さて、収録した Blackmagic RAW を DaVinci Resolve を使ってカラーグレーディングを適用せずに再生してみます。

少々ぱっとしない色味ですが、これは写真撮影でも同様な事が言え、Nikonでいうとピクチャーコントロールをニュートラルにしているような感じでしょうか。

これに、LUT(ルックアップテーブル)をノードに追加するわけですが、クリックレベルで達成できます。

色々と適用を試み、具合の良さそうなものを選択してみます。

LUT: Blackmagic 4K Fujifilm to Rec709 v2

この部分は個々による感性でもあり正解があるわけでもないため、CIE色度座標を見比べてみます。
LUT適用前よりも赤みが増している事が分かります。

これでバランス的には取れていそうということで、このLUTを採用します。(他にも、パレードなどを見ていくのですが、慣れないと良い施工になっているかの判断は、正解がないので几帳面な人には少々難しいかもしれませんね)

システム開発にも似ている部分があり、ある程度の正解は有るであろうものの道筋が多すぎて困ったことになることも屡々と言ったところでしょうか。

次に、Nikon Z 7Ⅱ で収録したクリップを再生してみます。

さて、どうしたものか、シャドーが強めの映像になっています。

DaVinci Resolve に変な設定をしてしまったのか、カメラRAWのカラースペースとガンマが先程の SIGMAとは違っています。

カラースペース:Rec.709、Rec.2020
ガンマ:Rec.709、N-Log

この状態の違いが出ているのであろうと思うのですが、RAWデータから継承されているのか、少々不明な感じがします。(もちろん、後で気がついたわけですが…)

従って、Youtubeにアップした動画について、LUT は下記の状態それぞれを適用をしているものとなっています。

  • SIGMA fp L : Blackmagic 4K Fujifilm to Rec709 v2
  • Nikon Z 7Ⅱ : Rec709 Fujifilm 3513DI D65

クリップベースにしてからカラースペース、ガンマを設定し直し、SIGMAクリップと同じカラースペース、ガンマをNikonクリップにも設定、LUTを適用しても色飛びがしている状態となりやはり具合は良くありませんでした。

うーん、ちょっと難しい。

異なるカメラということもあり設定も厳密には異なっていたりするわけですが、同じRAWデータとしては扱えないような印象を受けました。

カラースペースというより、このRAWに紐付いたカラースペース等の初期値がどの様になっているか、というところでしょうかね。

このカラースペースの設定が変わってしまうことについては、クリップベースで同じく設定はし直せるものの、結果として出てきた映像をみると全く印象の異なる状態なので、どうしたものかという感じですね。

追って調べて行こうと思います。

また、SIGMAは手ブレ補正機能がないことも有り、手持ちではかなーり厳しい撮影になります。
特に夜はISO感度を上げるかシャッタースピードを遅くせざるを得ないため、写真撮影もまともに出来ないという感じですね。日中で、1/125 程度でもブレていましたし(苦笑)夜景動画はもってのほかでしょう、ということでチャレンジもしていません。

また、Nikonはあえて、フォーカスを AF-F 設定にしていますが、さざなみ程度の差異をAFが検知してしまっているのかボヤボヤした感じになっています。AF性能はSIGMAより格段に良いのですが、やはり、定点での動画撮影時にはAFは切るべきなのでしょうね…

新鮮な感じで面白いのですが、写真撮影とはまた違った苦難が待ち構えていそうで楽しみになってきました。

想定できる苦難としては、、、

  • ストレージ問題
  • バッテリー問題
  • DaVinci Resolve問題

どれも解決不可能なことでは無さそうなので、より深い沼底へ沈む覚悟で望みたいと思います。

あれこれしているうちに、Z 9 はどうしたかなと情報を漁ってみると、納期1年待ちとか嘘か真か囁かれていますね… まだ発売日も発表されていないのに。

ここでまた、Nikon独自の新しい 高効率RAW とかが出てきちゃうわけですよね。

どこまで着いていけるのかが心配になってくる今日このごろです。

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